脳内シリーズ化決定! 「新書大学政治学部」
別にシリーズ化することは決まっているわけではないのに、脳内にイメージがブワッと広がってしまった。
当時の僕の脳内ではすでに光文社でのシリーズ化が決定していたようだ。
理由は以下のとおり。
■ 抜群の実用性
当時の自分に補足するのであれば、「大学の教養科目」になるような「政治学」という定番中の定番の切り口であっても、「2. 平易に科学し、3. 手広く歴史」されていれば十分に良本たりえるし、実際本書はそうあったということ。政治思想から制度へ、そしてインプットとアウトプットのみを捉える20世紀の政治理論から従来ブラックボックスであった価値観へ、という流れが200ページそこそこで、一人の著者によってまとめられていることの実用性はこの上なく大きい。
この実用性は本書の旧著が公務員試験の受験参考書であった出自によっており、
学問的意義など皆無、一般書としての面白さやオリジナリティとも無縁、ただ、受験のためのみに"使える"書をめざした。
との著者の弁の通り、実用書の俎上に乗りつづけてきたことによるものである。シビアな受験業界の市場原理をくぐり抜けてきた泥臭い新書なのだ。そういった意味で本書は初学者に分かりやすく、また幅広い読者を対象としている。お膳立てされた読者層へ向けてクローズドに展開される政治思想書とは一線を画していると言っていいだろう。
■ ありがたい読書案内付き
そして本書にはステップアップに向けた読書案内もついている。知識の入り口たる新書にとってオマケというにはあまりに重要な要素である。
■ 蛇足:オレはこう思う
1. ミクロ経済学とマクロ経済学はあるのに、ミクロ政治学とマクロ政治学はないよなぁ。
2. 第5章読んで「ITの圧力団体(利益集団)」について調べてみたいと思った。